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<ビッグコミックスピリッツ増刊「MANPUKU!」10月28日発売号掲載>    

 <あらすじ
甲子園出場を賭けて戦ったあの夏から12年後…敗れた鶴乃城高校の元エースピッチャー・
大場は社会人野球のピッチャーとして日露食品という企業に所属していた。
社会人野球選手にとっての甲子園…東京ドームで行われる都市対抗野球大会出場を
目指していたが、ここでもまたチームに恵まれず、鬱々とした日々を過ごしていた。

が、そんな折、社会人野球の名門・大日本金属から大場に「補強選手として来て欲しい」
との誘いが来る。ドームで投げられる可能性が見えた。
かつてのあの夏を取り戻そうと意気込む大場。
しかしそこには12年前の決勝でまさに大場達鶴城高校を下し、見事甲子園出場を果たした
豊国高校のエース・藤尾がいた。

いつまでも高校時代の栄光を引きずり、若いままのピッチングフォームで投げ続ける
大場に対し、藤尾は「フォームを変えろ」と指示する。
最初は渋々従っていた大場もとうとう苛立ちを爆発させる。
藤尾を殴って一度は練習をボイコットする大場だが、藤尾達大日本金属がなぜそうまでして
勝ちにこだわるのかをスポーツニュースで知る。
「大日本金属」は社会人野球の名門で名高いが、近年の不況により存続が難しくなり、
よって今回の都市対抗戦を最後に廃部が決定したのだった。
「勝たなきゃ意味がない」-藤尾を始め部員達の切実な思いを理解し、チームに戻る大場。
そして最後の試合、都市対抗戦の日がやってきた。
大場

喧嘩っ早く、自分が元エース
ピッチャーであることに
プライドを持っている。
高校時代はワンマン
プレイヤーだった。
藤尾

名門・大日本金属の
主将であり、キャッチャー。
冷静沈着なクールガイ。
この外見でも実は三十路。
独身か所帯持ちかは不明。

ブルーダーに引き続いて、主人公が大人の男の人です。野球モノ。確か予告にあったタイトルは「曇り空」だったような…
やっぱり、やばかったんですかね。
野球モノではありますがお話の軸となっているのは試合ではなく、そこに辿り着くまでの揺るぎない意志や葛藤や苦悩です。
試合やって勝ってバンザーイなら少年誌がいくらでもやってる。が、これは青年誌なので魂の有るところまで深く掘り下げ、
「人の心」を土台にしていわゆる「人間ドラマ」としての野球を描いている。
仮に単行本化されたときのために結末は書きませんが、ああ、やっぱりこうなるんだなあ、という感じです。

ところで、「鶴乃城高校」といい、「豊国高校」といい、盛田先生の地元色が強いです。
(盛田先生の出身地・大分県には「佐伯鶴城高校」と「佐伯豊南高校」があります。)

ああそれにしても藤尾様…vかっこいいです。ブルブル。「これぐらいの事で逃げ出すような奴なんだ」の冷静な視線とか
「俺達を信じろ」と言って横目で微笑む所とか、後ろ姿の背中から腰にかけてのラインとか、もうッかっこいいいい!
(ふう、また冷静じゃなくなった。)
大場もかっこよかったよ。自分を抑えながら投げ続けるところとか。