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情報提供: 桜井多恵子様(イニシャルから名前の表記許可を得ました)  ありがとうございます!!
「あらすじ」は桜井様からのメールで頂いたものを部分的に引用させていただいてます。


< 週刊ビッグコミックスピリッツ 1995年 第44号 >
< あらすじ >
中学校の美術教師・藤野は陸上部3年生の女生徒・橘の走り高跳びに挑戦する姿をスケッチする。
彼女の感想は「あたし、こんなんじゃないよ」。彼が本当に描きたい女性は15年前の記憶のなかに住む女の子だった。
藤野は小学生の頃、同級生の女の子と一緒に家出をしようと誓った。だが彼は約束を忘れてしまい、
一人で待っていた女の子は事故で死んでしまう。
それ以来15年間、記憶の中の彼女を描き続けていた藤野、しかし最近は彼女の容姿を思い出せなくなってしまった。
「君はどんな娘だった…?どんな女性になるはずだった…?」罪悪感と焦燥感で筆が進まない藤野。
だが橘の歌う鼻歌が彼の記憶を呼び覚ましていく…。

盛田作品の読み切りものにしては珍しく(結果的に)ハッピーエンドで終わっています。
全体的に静かな雰囲気と、ともすれば暗くなりがちなテーマに上手く手を加え、爽やかな仕上がりになっています。

< 感想 >
上手いなあ…絵も若いなあ…「アイ・ラブ・ユー」と「しっぷうどとう」の間に描かれたものですね。
後半橘の鼻歌と共に気持ちいいぐらいに展開されていく記憶の波と、最後ページの「オチ」(ここでは言いません♪)に
深〜く頷いてしまった…ああ…そういうふうにつながってるんだ…と。
心理描写もこの頃から輝いてますね。
途中、幼い藤野が夢中になって観ていたテレビ番組というのに笑ってしまった;
志村とカトちゃんに爆笑。似てる。そしてふきだしに隠れて見えないブーは哀れ。

ちなみにタイトルと、橘の鼻歌=作中での挿入歌(?)となっている「君が僕を知ってる」は
忌野清志郎所属・RCサクセションのナンバー。
なんでも、木村拓哉がフジテレビ系『ラブラブあいしてる』にゲスト出演した時に、
「本当の自分を誰もわかってくれないと感じて落ち込んだ時に聴いた曲です」と言って
忌野さんといっしょに歌っていたそうです。(何から何まで貴重な情報有り難うございます、桜井さん…。)

週刊ビッグコミックスピリッツ、創刊15周年特別読み切り作品。